から揚げオクスリ                                                                                                                                      
途方にくれる。そんな感覚がたまに何の前触れもなくやってくる。しかも、べっとりと私の頭に貼りつき、なかなか離れない。なんだか、全てに対して途方にくれてしまう。
いつまで、これを続けるのだろうか?しかも、これというソノモノ自体が何か分からないから、たちが悪い。ぼんやりとしかし強烈に漠然とした生きることに対しての不安。
楽しい。そうだ、絶対に楽しい。今は楽しいのに不安。将来の事を思う訳でもない。なる様になる、と信じているし結婚も、仕事も老後の貯えもどうでも良い。それなのに途方にくれる。
私は歩き続けて、海へと向かっているはずだ。
私は飛び続けて、大気圏を越すはずだ。
私は生き続けて、何も無い所へ向かっているはずだ。
天国も、地獄も、信じたくない。誰が、この私の最終形態を見るのだろう。ひっそりと泣いてみたところで、何も変わらないが、そういう時、私は明日のお昼ご飯に、必ずから揚げを食べようと決心する。そして、少し救われる。時間がたつにつれて、この思いは必ず日常に埋もれて姿を隠す。こんな思い、忘れなきゃやっていけない。だから、それまで、から揚げを食べ続ける。
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