言葉の整理
今日の夕食はもずく。もずくがメインだ。もずくが美味しいと感じるなんて、わたしも大人になったものだ。白いご飯ともずくとお茶。そういえば昨日も確かもずく・・・。おとついは、たしかインスタントラーメン。げーっ。私って全然駄目じゃん。しかし、私の駄目さ加減はここに始まった事ではない。洗濯も、気が向けばたまにする程度だし、靴下だって左右チグハグだし、最近までストッキングを洗うという観念が無かったし、冷蔵庫の中では買った覚えの無いキノコがあるし、シンクの下ではジャガイモが可愛く花畑を作りかけていた。すごくナチュラル志向だ。まさに都会のなかのある意味大自然がここにはある。
こういう人間を、愛媛ではびんだれ、と呼ぶ。びんだれ。
びんだれって響きからして、だらしなさそうである。びんだれ・・・。でもよく聞けば可愛い感じも否めない。だらしないとは又違う。びんだれはどちらかと言えば、だらしなくってゴメンネ!みたいな感じ。許される事を前提とした媚びた謝り、そう、びんだれさんは状況に甘んじながらも、誤っているのだ。びんだれちゃんは二十代前半の女の子。だらしないさんは、三十から四十代にかけての男性。
びんだれちゃん強し!日本語はおもしろい。その一つ一つに表情や性格がある。ひらがなも好きだ。言葉を覚える事には楽しさがある。痒いところに手が届く、そんな言葉を捜している。レパートリーが広がれば表現方法もひろがる。
しかし、肝心な言葉ってのは、そうそう出てこない。どれだけ沢山の言葉を覚えても、届かない思いは無数に存在する。
そこを埋めようと、他の言葉で代用したり、無意味に多くの言葉を使って取り繕ったりする。
本当に、大切な言葉は少ない。それだけを覚えてしまったら、他はほとんど、遊びに近い。
頭が大きくなりすぎて、脳みそと言う名の倉庫は煩雑になってきている。そこはいらないもので、散らかり放題だ。捨てる事は出来ないとしても、整理しなくては、いつか誤解をまねいたり、誤った表現の選択方法で何かを傷つける。
言葉も、シンプルで良いのかもしれない。それでは私は何をしているんだろう。倉庫を引っかき回す様なことばかりをしている。
とりあえずは・・・・、
好き、と嫌い、有り難う、ごめんなさい。一番大切で、一番出てこない、この言葉を、倉庫の一番手前の引き出しにいれておこう。
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